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第一回 豊間海岸―サーファーの聖地は今―

 県道15号のトンネルを抜けると眼前に広がる豊間海岸。この大海原が豊間地区のトレードマークであり誇りだ。

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 かつてこの海は福島県内でも随一のサーフスポットであった。「豊間の魅力は何より波が良いこと。震災前に豊間地区に数件あった民宿のサービスもサーファーに好評で人気を後押しした」豊間地区でサーフショップ『スローダンサー』を営む鈴木孝史さんはそう語る。

「若い人から知られていない…」―豊間海岸の課題―

 しかし、2011年の震災による津波の被害を機に、サーファーの客足が遠のいている。震災から8年経った今でも、訪れるサーファーは震災以前の3割程度まで落ち込んでいるとのことだ。

 「今、豊間にサーフィンに訪れるサーファーの人々はほとんどが顔見知り。新規で来る人たちはほとんどいない」と前述の鈴木さん。その原因は若い世代からの知名度だ。一昨年と昨年、豊間地区でサーフィン大会『塩屋埼カップ』が開催された。一昨年は195人、昨年は190人弱の応募があったが、いずれの年も20代以下からの応募がたった一人だったという。

​ また風評被害の影響も感じるという。震災以前は豊間地区でサーフィンを楽しむ子供たちの姿が見られたが、現在では少なくなってしまったそうだ。

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​ 在りし日には波乗りの町として栄えた豊間地区。かつての賑わいを取り戻そうとするこの場所に波を乗りこなすサーファーの姿は必要不可欠だ。サーフィンをする方は是非一度豊間地区に足を運んでみて欲しい。豊間地区の人々はサーファーが海を賑わす光景を心待ちにしている。

​ 著者:オクシモロン

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