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​第二回 とよまの鳴き砂

皆さんは「鳴き砂(鳴き砂)をご存知でしょうか?

鳴き砂とは、砂浜を歩いた時に「キュッキュッ」や「クィックィッ」という音を出す砂のことです。地域によっては、「鳴り砂(なりすな)」と呼ぶところもあるそうで、海外では「ミュージックサンド(音楽砂)」や「シンギングサンド(歌う砂)」と呼び、様々な呼び名で親しまれる砂なのです。また、鳴き砂は海のきれいさを表すバロメーターでもあり、砂浜も水もきれいな海の象徴です。

豊間記事1(相澤).png

鳴き砂は震災前、豊間のシンボル「豊間海岸」でも聞くことができました。

​ 昔は、鳴き砂の音を鳴らしながら遊んでいたそうです。しかし、東日本大震災で豊間海岸は瓦礫の流入、砂浜の減少、地盤沈下で海が近くなったことによる砂浜の湿気などの被害にあいました。実は、鳴き砂が鳴くためには「湿気」と「汚れ」は大敵とされています。なぜなら、鳴き砂は砂が乾いていないと音が鳴らないからです。また、汚れに対してとても敏感で、砂の表面が少しでも汚れると音が出なくなってしまいます。豊間海岸の鳴き砂は、震災による砂の湿気や汚れで音が鳴らなくなってしまったのです。

しかし、震災から8年、豊間海岸は少しづつ元の形に戻りつつあります。

​ 津波によって多くの砂が流されてしまいましたが、現在はきれいな砂浜が戻ってきました。以前より見つけにくくはありますが、夏の日差しが強い日であれば鳴ることもあります(私もまだ聞いたことがありませんので、今度探し歩いてみます!)。

 また、2018年夏に行われた「海まち・とよまパークフェスDX」という地域の魅力を体感できるフェスでは、「水風戦」(水風船を使ったドッチボールのようなゲーム)が行われ、大人から子どもまで多くの人が豊間海岸で接戦を繰り広げました(我ら大学生チームは、残念ながら豊間中学校チームに敗退…)。

 震災後、豊間に帰ってきた鳴き砂。これからも地域と共にあり続けます。

豊間写真7.jpg

​著者:ハロ

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